第26章 さいごに
町の人混みがやっと騒ぎを聞き付けて集まる。
カメラのフラッシュがマスク越しでもわかった。
私達だけ、事情聴取すらすり抜けて帰った。
「俺は関係ない。全てはオールマイトの手柄だ」
「…え!?わた、私が、きたぁー!!
こ、これでいい?」
「……」
「引退宣言までしたのに!やはり!」
「すみません、こちらにもコメントを!」
ざわざわと他人の声がする中、学校の先生たちの声がする。
みんな、助けてくれたみたいだった。
何が起こったかは、まるでわからなかった。
ただ、夜更けの風の中、先生と帰ったのだけ、うっすらとわかる。
もうきっと、おしまいだ。
皆にわかってしまった関係。
だから、先生の手で、また死体に戻して欲しいと、マスクを外されながらお願いをした。
先生はずっと黙ったまま。