第24章 秤にかけられない
「君の力は本当に強い。
どんな洗脳や技を持っても対抗出来ない。
故に器が未熟だと、そうやって、壊れていくんだ……」
「………っ」
髪をぐっと上に引かれ、合わない視線と視線を合わせる。
「だから、その力を、僕たちの為に使わないかい?」
「……」
「こんなに君を必要としているんだ……。
そんな経験、ないだろう?いままで」
「………」
私は、頷きそうになる。
私の力が必要なら、それなら、そうしたい。
「君の大好きな先生はもう助けには来れないよ。
だって、仕事の方が大事なんだろう?」
「……せんせい…」
誰だっけ?
記憶が混濁してくる。
私、そんな人が好きだった?
もうなにも、秤にかけられない。
「なんでも、します、だから、おわったら、しなせてください」