第22章 すまない
先生は一瞬心配そうな顔をしてくれた。
本当に一瞬で、普通の人にはわからないくらいだけど。
それが、嬉しかった。
「来てくれないかと思いました…」
「信用ねぇな」
顔を見れた安心感に、ぎゅっと細い腰を抱き締める。
「ねむれないなら勉強するか?」
「……遠慮しておきます…」
先生は偉そうに先にベッドにのり、ぽんぽんと隣に来るように促された。
「まだ怖いのか?」
「はい、目を閉じると、あの人が浮かんでしまいます…」
「そうか……」
興味無さそうに返事をしているようで、言葉のどこかは心配してくれていて、心が温かくなる。
「先生……」
優しい手付きで頬を撫でられ、髪を指で梳く。
ゆっくり唇を撫でられて、緊張してきゅっと目を瞑り、あ、と思い出して顔が熱くなる。
「せんせ…きょ、だめ……」
「どうした?」
さっきまで遊びで着ていたそれを見られるのが、凄く恥ずかしい。
「体調悪いのか?」
心配そうなその表情に、嘘が吐けない。
「や、違うん、ですけど……でも」
「でも?」
「ううっ」
着々と手際よく上半身のパジャマを剥ぎ取られて、身に付けていた物がヒラヒラと姿を現す。
「や、やだっ!」
慌てて毛布を引き寄せる手をさっと遮られた。
先生は、楽しそうにしている。
「見世物じゃないのか?」
「ち、ちがいます………」