第21章 どういういみですか?
先生は、デスクの書類を片づけると、隣に寝てくれた。
毛布ごと抱きしめられて、凄く、安心する。
「ごめんなさい」
「もういい」
「先生、私のこと捨てないです?」
「ああ、買った物は最後まで使う」
「…嬉しい」
「嬉しいのか?」
「はい」
ふふっと笑いが漏れて、先生がそれに一瞬だけ、にっとする。
その顔が、なんだか、好き。
「先生、私には、先生しかいませんから…、だから、また怖いことあったら、ほんとに、今度は来てくれますか?」
「明日は行ってやる」
「…ありがとう、ございます…」
先生は優しく、約束を守るという意味で、唇に柔らかいキスをしてくれた。
恥ずかしいのと、嬉しいので、先生の顔が見れなくて目を瞑る。
「先生、好きです…」
頬を撫でる手が気持ちいい。
首筋を丁寧に撫でられ、髪の毛先を取られ、口付けられる。
どこかの国の王子様みたいで、ちょっとときめく。
「…そのうち、返事してやる」
「!!!!」
いつもの言葉に、言葉が返ってきて凄く動揺する。
「せ、先生…それ、どういう…」
どういういみですか?って聞きたかったのに、隣からは規則正しい寝息が聞こえる。
頬が熱くて死にそうだ。
先生と私は、今、なんの関係なんだろう。