第6章 Plus ultra!!!!!!
なんだかんだで
約2年間プッシーキャッツと共に過ごした。
ラグドール
「やだよーユキと離れたくない」
「私もだよ…ラグドール!」
プッシーキャッツに入ればいいのにと嘆く
ラグドールを慰め別れを惜しんだ。
中学三年生の時プッシーキャッツの元から離れ
都内の事務所に移った
今日から正式にヒーローになれるとそう思っていた。
事務所の一室に座っていたユキを
シンリンカムイが見つける
シンリンカムイ
「?……あぁこの子が…サポートの子か」
ユキを見るなりなるほどなと頷いて
他のヒーローに呼ばれて出ていったシンリンカムイ。
「……え?」
私はヒーローになるための訓練をしていたんだよね…?
事務所の偉い人が部屋に入ってくるなり
ユキは
「私……ヒーローになれるんですよね…?」
前のめりになって聞いた
少し驚いた顔をして 咳払いをする
君はもうヒーロー免許を取得している
立派なヒーローだ。
その言葉に安堵したユキだが
続けられた言葉に耳を疑った
君のその個性は 君一人だけじゃ価値のない個性だ
その個性は他のヒーローと一緒にいる事で成り立つ
君には他のヒーローのサポート役として働いてほしいんだ
私の個性はシールド
確かに攻撃系の個性では無いけれど
それは知っていたが自分の個性が攻撃系では無いことは
従順承知だったけど。
それでも、1人前のヒーローになれると思ってた。
自分の想い描いていたヒーローとはかけ離れてる
その時に思い知らされた
私は他のヒーローがいないと何の役にも立たないのだと
中学三年生の春
私の夢は呆気なく終わりを告げた
それからのユキは
ただ単調に仕事をこなしていく
まるで機械のようだったが
歳を重ねる毎に自分の個性を理解し
だんだん大人な対応ができるようになったと共に
生意気にも拍車がかかった。
周りは大人だらけ自分と同じ年代との触れ合いも
もう何年もない。生意気にならないはずがなかった。
その生意気な態度は特にシンリンカムイへ。
寛大な大人の優しさで甘やかされてきた。
今までの記憶が走馬灯のように駆け巡る
私は死ぬのだろうか。
まだ 知り合って間もない皆と
一緒に成長していきたかったな。
でも目を覚ましたらカムイに怒られるかな
怒られるのは苦手だ
なんておもいながら目を閉じた
