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ゆるやかな速度で

第7章 5.始動


自己紹介を何とか終えた私はあれから白石くんだけでなく副部長を務めているという小石川くんにも色々とテニス部の事を教えてもらった。
白石くん同様に小石川くんもとても親切で、私に色々と部内のことを教えてくれる。
私は先程と同様に小石川くんが話している時にメモを取っていく。
色々と覚える事が多そうだなと今日だけで増えた書き込まれたページ数に私は気を引き締める。

初日に色々と詰め込んでもあれだからと気を遣ってもらって、いくつかの仕事はまだ下級生の人達が担当してくれているらしい。
私は早く仕事を覚えて頑張らなければと思った。
そして最後に部室へと案内される。
部活後から結構時間が経っていたので部室にはちらほらとしか人はもういなかった。

「お、丁度残ってるメンバーええ感じやな」

部室に案内してくれた小石川くんが私の隣でそう告げると雑談や帰宅する為に荷物を片付けて彼らが一斉にこちらを向いた。
私が隣にいたのを見て彼が何を言いたいのか察したのか彼らは手を止めてくれる。

「知っとると思うけど、【名字】さんや」
「あの宜しくお願い致します」

私が小石川くんの言葉に続きお辞儀する。

「えっと、今この場におる奴らが四天宝寺のレギュラー陣やな」

小石川くんの説明を聞きながら私は部室内を見回す。
その私の動作を見てから小石川くんがマネージャーをする上で、レギュラー陣との関わりが特に増えるからと1人1人私に紹介してくれる。
何人か軽い自己紹介が終わると次はダブルスの…と小石川くんが言いかけて止まる。

「で、こっちは…って2人の事は一応知ってるんやっけ?」
「はい」

小石川くんの質問に私は頷く。
今私の目の前には、綾子ちゃんの友人の2人が立っていたからだ。
小春くんは優しく微笑んで私を見ていた。
ただユウジくんの方は少し怖い表情をしていたので私は身構えてしまう。

「1つ言っとく事があるわ」
「は、はい!」

私はユウジくんの凄みのある台詞にゴクリと息を飲む。
ドキドキとしながら彼が何を言うのか私はジッと待った。
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