第13章 お砂糖を…
「え?」
ユンギは彼女の発言に箸を止め、
予想外の事に目を見開く。
まさかの……身内かよ……
「まじか……」
「マジです…」
「つうか……テヤンって……年26歳だろ?俺より年上だしてことは、お前幾つ?」
そうだ……こいつは確か年齢も俺達に言って無かったっけ……
しかし、彼女は
「あー………忘れましたね……」
とユンギの言葉に真顔でそう応える。
彼は彼女のその回答があまりに拍子抜けで、たまらず笑いが吹き出した。
笑ったの何時ぶりだろうか…
「まさかっ……忘れたって…まじかよっ……」
「そうですね〜ある日から数えてなくってですね〜見た目的にはジミンさん達と同じなので……その年で!」
「適当かっ!……まぁ関係ねぇしな……
経験なんだろ?メイクは………」
あぁ…そう言えばそうだったな…
彼女は年齢を語らない…必要ないと言っている。
まぁ…これはナムジュンも聞いたらしいな……
けど……忘れたねぇ……
年齢は関係ない…
彼女のメイクとしての腕は確かで、経験が沢山ある事も本当だ。
だから年齢不明でも、変人でも謎めいていても周りは彼女を認めているのだろう……
だからかもしれないな…俺が…少しこいつを認めているのは…
彼女はユンギにこう呟く。
「そうですね……経験と腕がやっぱり大切です……でも、相手を常に理解するのが一番難しい……そんな仕事なんです……」
彼女のその横顔は何処か憂いを帯びていて…ユンギには実に綺麗に映るのだった。