第13章 お砂糖を…
「俺には関係ない…」
そう数分前ナムジュンに言ってしまった事を少しだけ後悔しながら、ユンギは行くとこも無く宿舎の外をふらついていた。
確かに彼女のメイクは素晴らしかったかもしれない…
でも、それだけの関係…あいつはただのメイク……
で芸能に関しては素人だ。
そう思うも、ユンギは何故か気づけば、彼女の家の前までやって来ていた。
何やってんだよ俺……関係ないって言っておいて…
だけど、本当に悩みも不安も軽くしてくれんのか? 相手は素人だ……何を言ったって上辺だろう……?何をみんな期待してんだよ?………
ピンポーン…そう暗い考えを浮かべたが、
ユンギの指は既にインターホンを鳴らしており。
焦るユンギ
やべっ…
しかし、時刻は20時は過ぎ。
恐らくでないだろう………
でも、彼女は平気な顔でその扉を開けた。
「あれ?随分珍しい……お客さんだ……」
声と共にまた笑い彼を見つめる。
「どうかしましたか?」
ユンギはまさか彼女が出るとは思わず……
ただ視線をそらす
でも、彼女は彼を否定するわけでも拒否する訳でもなく、不思議そうに…何かを思い出したように彼に…こう呟いた。
「あ……そうだ…ご飯食べました?」
「え?まだだけど……」
なんだ…こいつ…
何で今その質問なのだと
ユンギは問いただしたくなったが、
今はそんな事よりもこの状況が信じられずただ黙った。
「よかったら食べます…?」
間の抜けたように彼女は言葉を繋げ
気だるげに 彼の手を腕を引き込み
「ほら…なら入ってください」
「お前…女だろ?…男を簡単に入れんな……」
まぁ…俺もさっき引き込んでたけど…
とユンギはさっき部屋に置いてきた女を思い出し申し訳なくなった。
「あっ……それ…兄にも言われましたね……でも、何も無いので……」
「お前…」
「あははっ…それに変人の私に手を出す方いないでしょ?心配するなんてユンギさん優しいですね〜……」
と何処かバツが悪そうな彼に彼女は笑う。
彼を彼女がリビングまで案内すると、
彼女の部屋は実にシンプルで一言で言えば物がない…
しかし、彼の足はある棚の前で立ち止まった。
あれ…これ…
そこにあった物とは…