第12章 彼女の居場所
2彼女の理由
コンビニに着いてアイスを手にしながら…彼女はナムジュンの隣を歩く。
ナムジュンは少しだけ、彼女の歩幅に合わせながら宿舎を目指す。
「サクラギさん…随分アイス買うんだね…」
「買いますよ…疲れた時には甘いものって言うでしょ?…」
「それがサクラギさんのストレス解消法なの?」
ナムジュンは彼女にそう聞くと、
彼女はアイスを1箱、彼に渡した。
驚いた彼に彼女は唇に人差し指を当てて
「さっきのお返しです……これ皆で食べてください……そして、話の材料にでもしてくださいよ……因みに…私の…ストレス解消法は………仕事をしている事なので…」
仕事をしている事…
「辛くなったりしないの?」
「辛い事もありますが……私は仕事を貰えている…つまりは居場所があるのが嬉しいんですよ………だから…ストレス解消法は幸せを感じる仕事をしている時!」
「幸せを感じる……居場所っ…それって……」
これはきっと彼女の深い部分だ
昨日今日しか、彼女の事は知らない…
聞いいのだろうか……
でも、きっとこの話も
彼女は俺達のたとえメイクになった時におのずと知ることになるのだろう…
ナムジュンは今言うとは限らないし聞いたとしても深く考えないつもりだった。
しかし、彼女のそれはナムジュンの予想していないくらい壮絶で…
顔を歪めるナムジュン
それでも彼女はサラリとその事をたわいも無い日常会話のように簡単に話始めた。