第12章 彼女の居場所
「私は素人だから作詞の事とかは分かりませんが……
でも………上手く行かないのは…当然だと思います
…だって皆さん若いじゃないですか………」
単純な言葉でも深い意味は無かったかもしれないが、
悩んでいた…彼にとって、
心に彼女の言葉はすっと入って行く。
「プレッシャー…不安……恐怖は……上に行けば感じるもの…
…しかも…ナムさん達は20代ですよ…悩んだって…いきずまったって……普通です…………」
「サクラギさんにもあるの?そういうこと」
だから聞いて見たくなった。
彼女にもそういう経験があるんじゃないかって……
同じ若くして仕事をしている彼女ならと
「…………………ありますよ…そりゃ沢山……」
彼女は悲しげに笑う……
あぁ…貴方も色んなことがあったんだね…
ナムジュンはそう感じ取ると上を向いた。
きっと彼女は自分よりも若くて、最辛い時を今感じているんだろう…
そして、彼はふと彼女が普段変人を演じてる事を思い出す。
それと彼女の経験は果たして繋がっているのだろうか…
「そうか……俺達は悩んでも普通か……あの…少しだけ聞いてもいい?なんで…変人を演じてるの?ゲームをするなんて言ったのかな?」
ナムジュンの質問に
彼女はゆっくり、足を止め振り返る
何処か憂いを帯びた顔で
「………それは……そうですね……
理由があるんです…………でも、これは…………貴方方が仕事で私の素を出すことが出来たら教えます……だから……ゲームに乗るかは、貴方次第です…
ナムジュンさんは良く考える頭のいい方なので……
きっと…言わない方が良さそうなので
だから………今はこう言います………ゲームに勝てるといいですね……そして…知れるといいですね」
と言うのだった。