第2章 メイクの天才は変人
彼女はそう言われれば、
彼女は不服そうな顔で仕事用のハサミを置く。
「わかりました……少し、行って来るアル」
しぶしぶ、歩きながら、
彼女は一瞬で顔色を変えた。
これが、彼女の人気の秘密…
彼女は自身をしっかり、認め、待ってくれる客にはとことん応える主義で、
そう出ない客に対しては、嫌悪はしないが、堂々と物申す。
だが、それだけでなく…彼女はどんな客であれ、必ずメイクをし、髪を直し…
写真をとる。
さらに、自身の事を嫌悪するものは、
絶対に心を開いてもらうまでは仕事はやらない…
そういうところが、彼女が会社や客から好かれる1番の理由…
皆そんな彼女の信念に惹かれるのだ。
あのチャラ男は恐らく彼女の容姿目当てで彼女を指名したのだろう。
それくらい…彼女の容姿はモデルやアイドルかと呼ばれるほど整っていた。
ほら、、彼女に鼻の下を伸ばす客が来ようが、
「いらっしゃいませなのです!」
「あー!レイちゃん!俺、ちょっと急用でね〜」
「はい!わかったのです!」
「今日?夕方暇?」
「座ってくださいなのです!」
笑顔で、だが、冷たくあしらっている。
だから彼女は好かれるし忙しい…
でも、彼女の仕事は完璧だ。
ソルは彼女のアシスタントとして、随分になるが、周りも最初は日本人だからと嫌悪されたが今では…
彼女を誰もが好きである。
やっぱり、レイさんは綺麗でカッコイイ変人だ。