第2章 メイクの天才は変人
「!レイさん!先日予約のあった方が!写真を早めに撮って欲しいって来てます。」
そう社員であるソルに呼ばれ、彼女はゆっくりそちらを向く、
綺麗な顔を歪ませ、彼女は目の前の客の髪をセットしながら、嫌そうに言った。
「えっと…昨日連絡って事はあの人かぁ…茶髪のチャラ男の事アルな?」
「……レイさんぶっちゃけ過ぎですがそうです…」
「ちゃんと私は、私を予約したなら、時間通りってその人に言ったネ…」
本日の彼女はどうやら中国人キャラらしい…
桜木麗は仕事時相手に合わせたり、メイクに合わせてキャラを変える。変人だ。
理由はあるようだが、知っているのは社長とごく一部だけらしい。
ソルは彼女の事を考えながらも、
彼女に来て欲しくて、彼女の腕を掴む。
「だから!ちゃんと言ったんですけど…聞かなくて…」
「ソル!腕は掴むなって言ってるアル!!」
なかなか、離さない彼女に、彼女が呆れていると、髪をセットして貰っていた客は笑顔で
そのチャラ男がいるであろうほうを指さした。
「レイちゃん!私は時間がまだあるから、行ってきていいよ!」