第2章 メイクの天才は変人
チャラ男の髪を直し、待たせていた先客の相手をして、彼女はソファーに勢い良くダイブした。
「お疲れ様です…随分おつかれみたいですけど…この後はなんのお仕事なんですか?」
「…歌番組のアイドルのメイク…」
「へぇ!因みに今日は誰なんです?この前はBIGBANGでしたよね?」
「そうだね…今日は…EXOとTWICEっていうグループさんからの依頼だよ…」
「相変わらず…VIPですよね……」
素で会話する彼女は、どちらかと言えば癒し系だというか、省エネ体質になる。
ソルは彼女と話しながら、普通に話せばいいのに…と密かに思う。
だが、彼女はあの口調を趣味だと言い、ずっと続けていて…
皆の中では…素の彼女を独占できるからいいといわれている程の人気だ。
彼女はソルからお茶を貰い、飲み干すと、席をたった。
どうやら、時間が来たらしい…
そして、ここからがこの会社の名物…
彼女の仕事について行く…人間選びだ。
毎回これは、行われているが、彼女との仕事は今までにないくらい楽しい…
理由は、色んな色を見せてくれて、経験させてくれているからかもしれない…
前の時、ソルは1度彼女とパリコレのメイク師としてついて行った事がある。
その時も凄かったが、今日は誰が選ばれるのだろう…
部屋から彼女が出ると、並ぶ社員…
彼女はボートした顔をしながら、
今日のアシスタントを選ぶ。
「じゃあ…今から行くんだけど……今日は3人選ぶ………えっと、アラとカエデとチュン君ね〜…3人はよろしく……」
名を呼ばれたものは嬉しそうに飛び跳ね、抱きついた。
そして、メンバーは揃い、彼女はまた、仕事へ出かけていく。
彼女は休みというのを知っているのだろうか…