第7章 希望な笑顔
この人は本当に何時間前からいるのだろう……ステージのコンセプトまで、聞きまわり、もしかしたら、もう、挨拶もすませているのかもしれない……
ステージの事まで考えるのは……監督やアイドルの仕事のはずなのに…彼女は必死に考え、それに応えようとしている。
何故、彼女がそこまでするのか、聞いている2人には分からなかったが、彼女が積んできたものは、恐らく本物なのだろう。
「で?それと僕達がどう関係するの?」
「今回のコンセプト…に合わせる…いや、ステージに合わせるには………女性的役と男性的役が必要だと思います……だから2人が鍵です……ジミンさんは女性的にしなやかな動きをするので、女性的なイメージがつきやすい…
…ジンさんはやはり、男ポイ身体つきっスから!男性的イメージが着きやすいので、ふたパターンの衣装が考えられるからっす!」
彼女がそう笑うと彼女は続けて、こう言った。
「コンセプトに合わせるためには、イメージを何時もするんッス……確かにステージで、踊ったり、歌ったりするのは、アイドルだし、それを上手く撮るのはスタッフや監督だけど……
メイクや衣装はその人の魅力を最大限に引き出し、全てを輝かせるためには必要なんっす!」
彼女の仕事への誇り…思いは、今まであったどのメイク師よりも凄いものだと、
2人は目を見開いた。
今まで、こんなに、僕等を…僕等のステージを考えてくれたメイクはいただろうか……
いないはずだ。
でも、彼女は誰よりも、メイクや衣装…を選ぶのを、アイドルという商品ではなく、人として言ってくれてる。
こんな人に惹かれない人などいるのだろうか…
2人がそう感心していれば、
ガチャりと音を立て、いつものように希望が笑い入ってきた。
「ねぇ?俺の事もその魅力をひきだしてくれるの?考えてくれるって事?」