第6章 食べ物の恨みは最強だ!
ジンはどうしてといった顔を彼女に向ける。
でも、彼女は嫌がるわけでも…否定する訳でもなくて…真顔でただこう言った。
「なんで分かるのって顔をしないで欲しいっッス…取り敢えず、そちらのメイクとは死んでも合わない事は分かりました。」
と
顔は嫌そうだが、
今までの人とは違いさらりと周りに毒を吐く。
面白いな…この子、
ジンは彼女の姿に笑いが思わず込み上げる。
「あひゃひゃ!君…面白いな…」
そんな彼に彼女は膨らませ
「なんで笑うんっすか…」
「だって、今まで来たアシスタントはこんなに話さなかったからね…少し新鮮なんだよ…」
「なるほど…でも、少し、ムカついたので、ジミンさんとジンさんには少し手伝って貰うっス!」
「えっ…」
「衣装選びとメイク決めるので、少々2人の体をお借りスるっす!」
ニヤリといたずらっ子のような笑い、
ジンの手をガシリと掴んだ。
「ほら!他のお遊びさんが来る前にやらないと!あ!そうだ!先に来たのはジンさんなので、」
そして、先程持っていた飴の袋を手にすると、
彼女はそれを彼に1つ手渡した。
「あげます…」
「1つだけ?そんなにあるのに!?」
「当たり前っス!だってこれ、私のっスもん…それに、食べ物の恨みは怖いし…最強なんですよ」……
肩をそう言い、彼女は抱くと、少しだけ震えていた。
どうやらトラウマがあるようで、心配していたが、
彼女は拍子抜けしそうな事をサラリと言う。
「何かあったの?」
「前、兄から勝手にケーキ食べたら請求されましたからね…」
「それはっあひゃひゃ…面白いお兄さんだね!」
ジンの笑い声に彼女は少しイラついたのか、急いで紙をとると、彼の口に放り投げた。
「だから…内緒ですよ…」
飴の味は少し甘酸っぱいいちご味…
ジンは、飴を舐めながら、
そのまま、彼女の背中を追いかけた。