第3章 変人の仕事
彼女はアイドル達の言葉を素直に聞き入れ、関係者席で、ステージを堪能する。
関係者席の為、自ずと…偉い方々と一緒になるのだが、
仕事の話は必ずここで持ち帰る事になる。
見る前に、アシスタントして、連れてきた3人に見たいかを聞き、
彼女は席へつく。
歌を聞く中…今日もほら、彼女が手がけたアイドルは他の者を引き込んだ。
「うん、今日も完璧なのね!」
アイドルを褒めているのか、メイクや衣装を褒めているのか全く分からず、
隣に座る3人はジトリと彼女に視線を送る。
彼女は視線に気づくと、ピクリとこちらを見やった。
「うん?なんなのねその目
…私は…全てを褒めているんだよ?
…やっぱり…色んな色を見せて貰わなきゃ
同じ色や綺麗な色じゃなくて、色が変わる瞬間がたまらないんだ。
なら…完璧という表現はおかしいか…」
「また、違う色をくれてありがとうだね」
あぁ…会話が難しく、3人の頭の中には入らなかった。
何故、彼女が沢山の色にこだわるのか…
色とはなんなのか…