第3章 変人の仕事
すると、彼女はステージのライトを指さし言う。
「色とは、変わりゆく全てのものの事、ステージ…衣装…メイクだけじゃなく、
それを見た。彼等、ファンの顔、彼等のダンス、歌声が映えるか…映えたか、これからどうなるかとかさ…」
彼女は多才というのもあるが、こういう考えも、尊敬したくなる。
だって、つまりは、
「色を見せるのではなくて…貴方は…自身のつけた色で、そこから、彼等がつけた色を見ていくのが好きだからなんですね」
カエデの言葉に彼女は笑う。
「だから、私は留まらないんだよ…留まってしまっては、彼等がこれから作る色をこうやって新鮮に見れなくなってしまうから……綺麗なものや、素敵な絵は、遠くから見てこそ、価値があり、宝石も
近くで見れない…手に入らないから…ガラスケースに入って価値を高めているんだと思うのさ…」
「それに…私は日本人だ。辛い芸能界に行けば、当然反日もいるだろう?」
「反日ですか?」
「アラもチュンも反日教育はしているだろう?」
「はい習いました。」
「あぁ習ったよ、」
「政治的圧力のかかるものも多い中で彼等はいるのさ、海外にでたり、沢山の事の中でいるから…」
悲しげな瞳を向け、彼女は
「私や、カエデちゃん見たいに日本人を置いておかない方がいいんだよ…彼等の成長や、飛び立つ為にはね…」
アイドル達を眺めていた。
EXOとTWICEのステージが終わり、
彼女は席を立つ。
「少し…話過ぎたね…帰ろうか!」
彼女の抱えるものとは…
その時だった。男が声をかけたのは…