第2章 水色~黒子~
-黒子side-
火神くんが△△さんの腕を掴んでいるのを見た時、本当はパーじゃなく、グーで殴ってやりたいと思う自分がいました(やめましたが)。
そもそも、いつまでも部活に現れない火神くんに嫌な予感を覚えて教室に戻ってみた結果でしたが、本当に、行ってみて良かったです。
まさか火神くんまでカントク命令を受けているとは思いませんでした。
「この場合、僕一人では無理だと思った、という理解で良いですか。カントク」
僕なので口調はいつも通りでも、内心では色々イラッとしていました。
一つは、今言ったとおり、僕とは別に火神くんまで動かしていたこと。
そして二つ目は、そうまでして△△さんを…ということでした。
でもそれについては珍しくもカントクが。
「ごめん! ほんっとーにごめん! でも黒子くん、最初から乗り気じゃないっぽかったから」
そう言いながら両手を合わせて拝むようにするので、僕はちょっと引いてしまいましたが。
「だから…火神くん、ですか」
それでも言うべきところは続ける僕に、カントクは今度は開き直った(?)ようでした。
「だって火神くんなら、黒子くんと一緒で、あの子と同じクラスでしょ? クラスメイト同士の方が良いかと思ったんだけど」
良い考えでしょ、とカントクは言いましたが……。
普通なら、それも一理あるかもしれません。
でも…そこは△△さんです。