第2章 千キロ先に向けて出発
日が暮れ、ゼロと、二人野宿をしながら焚き火の炎を見つめていた。
いつもばあちゃんが側にいたから、少し、夜は寂しく感じる。夜は昼の暑さに打って変わって、涼しく過ごしやすく感じる。
「やっぱり遠いね。走っても走っても全然縮まらないよ。世界は広いね。私はこんなに藍ノ里を離れた事が無いから楽しみだよ、木ノ葉の隠れ里って、どんな所なんだろうね……。」
「なぁなぁ、木ノ葉の忍者って葉っぱのマークが付いた額当てをしてるんだよな?そのまんまじゃねーか。」
「本当だね、うん、面白いね。ってか私らも、そんな感じじゃん。藍の花をモチーフにしたデザインなんだし。」
ふふっと小さく笑みを浮かべた。
私は木ノ葉の隠れ里がどんな所なのか想像していた。どんな忍がいるのだろう。
どんな風に生活しているんだろう。外の世界、未知なる場所に胸を躍らせていた。
「はたけカカシ、殺せるのか?」
ゼロが少し低い声で聞いてきた。
「うーん実力が分からないからね…ただでヤラれたりしないわ。私がタイプじゃなかったらハニートラップは無理だし、最初は様子を見てしっかり観察していくわ、多分長期戦になる。そこまでの実力者がそう簡単に引っかかる訳ないし。」
「おいおい、弱腰かよ、珍しいな、いっつもガンガン殺しまくるお前がしおらしいな。」
「ふ、まー、やっぱり、強いと思うからね。私の従兄弟をあそこまで追い詰めたんだから、相当なはずよ。」
はたけカカシとはどんな人間なんだろうか、写輪眼を使い千の術をコピーした忍者という事は分かっている。千の術とか凄すぎてよく分からない。
どんな実力の持ち主なんだろうか、会って戦ってみたい、と少しワクワクしている自分がいた。