第3章 出会い
「どうされたんですか?」
突然、頭の上から低く優しい声が聞こえた。
見上げてみると、身長がスラっと高く足が長い白銀の髪色をした男性が立っていた。
口布で顔の半分を隠しているが、それでも分かる相当なイケメンだ。顔立ちが整い、眠そうな目をしているが、まつげが長く、瞳が綺麗で吸い込まれてしまう。
左目の瞼には縦に伸びる大きな傷があり、刀で切られた跡だろうか、と見惚れていた。
「何か、トラブルですか?」
「いえ、少し休憩しているだけです。」
意味のない言葉を並べながら私たちはずっと見つめ合っていた。
思わず触れてみたくなる、綺麗な顔立ち、カッコいい人だなぁ、と思っていると、
ゆっくり私の目線に屈んで腰を下ろし、
ジィーっと顔を目を逸らさずに見つめ、少し顔を傾け、目尻を下げて、笑った。
「本当に、ため息が出てしまいそうなぐらい、お綺麗ですね、遠くから見えた時から、貴方から目を逸らせなかったんです。こんな気持ち、初めてです。本当にお美しいお顔をされておられますね。」
「……そ、それは、ありがとうございます。」
その瞬間、カーーっと赤く染まっていくのが分かった。こんなに近くで見つめられ、突然褒められびっくりしている。