第3章 暗闇の恐怖
大名の声が聞こえたと同時に、何とも気持ちの悪い感触に思わず声を上げる
「ひっ………!!?」
姿こそ見えないが、濡れた着物が纏わりついた腰の辺りをつつぅっ…と撫でられ背筋が反る。
(気持ち悪いっっ!!絶対好き勝手なんかさせない!!)
「っやだ!!触らないで!気持ち悪いっ…」
バチィィンッッ!!
頬を激しく叩かれた感覚がして、口の中に血の味が広がり、口内を切ったことがわかる。
大名「あまり騒がれるのも厄介。傷はつけたくないからね。少し眠ってもらおう」
「んっっ!?んーーーっっ!!!」
頬がじんじんしたかと思えば口元に何か甘い香りのする布を当てられ意識が飛んでしまう。
その様子をある人影が見ているとは知らず、大名たちは根城へと進んで行った。
???「大変だ。安土の視察のはずが…。すぐに知らせないと」
そう呟くと、すっかり暗くなった闇夜へ姿を消した。