第2章 行方知れずの君
あからさまに不機嫌な家康に全く気付かずに、にっこりと笑みを家康へと向ける。
三成「家康様のような御方にお救い頂けたのですから、こんなに心強いことは無かったでしょう!」
家康「煩い…三成は黙ってて。更に苛つくから」
三成「え???…あぁ!私が言わずとも、様は家康様の素晴らしさを御理解されていると言うことですね?!流石です!」
家康「はぁ?!お前の頭の中、どうなってるの?」
信長「して、が城下に出たのはどのくらい前だ?」
女中「針子たちに聞きますと、昼餉を済まされたあと直ぐの様です…」
秀吉「もうすでに夕刻だぞ?!おまけにこの雨だ!
この時間まで誰一人、の不在に気付かなかったと言うのか!?」
女中「もっっ…申し訳ございません!!」
半ば殺気のような雰囲気を纏わせた秀吉の姿に女中は額を廊下に擦り付け顔を真っ青にして謝り伏している。