第10章 ~奪還、そして想い~⭐秀吉ルート⭐
「秀吉さん…勝手だよっ…!どうしてそんなこと言うの…?どうして謝るの…?」
涙を流しながら、力無く秀吉の胸を何度も叩く。
「秀吉さんに謝られたら…私はっ…私の気持ちはどうすれば良いの?」
秀吉「?」
「私だって…ううん、私の方が秀吉さんへの思いが強くてっ…でも、妹だって言われるたび苦しくて…」
お互い、自分の気持ちに気付きながらも、その想いは永遠に一方通行だと勝手に思い込んできた。
秀吉「悪かった…俺のせいで散々お前を苦しめて来たんだな」
「秀吉さんのせいじゃないのっ……私が勝手に想いを寄せて、勝手に悩んで…だから、秀吉さんは悪くないの!謝らなくていいんだから!」
ポロポロと涙を流しながら言うはまるで駄々っ子の様だった。
秀吉「こーら、泣きすぎだぞ。可愛い目が腫れてしまうだろ?」
優しく涙を拭いながら笑顔を向ける。
「ねえ、秀吉さん…」
秀吉「駄目だ」
「っもぉ!まだ何も言ってないよ?ふふふっ」
くすくすっと鈴のなるような心地よい音色で笑い声をあげる。
秀吉は導かれるように両手をの頬へ持っていき、ふわりと包み込むと視線を合わせる。
秀吉「ん。やっぱお前はその顔が一番可愛い」
「秀吉さんのお陰だよ」
そう言うと、秀吉が一番好きな柔らかく、全ての闇を晴らすような笑顔を向ける。
秀吉「、
愛してる……
例え許されなくても、もうお前を離せそうにない。
ずっと、俺の隣で笑っていてほしい」
「うん…私も秀吉さんが大好き。
秀吉さんを、愛してる…っ」
ゆっくりと静かにお互いの顔が近付き、お互いの想いを伝えるようにそっと唇を重ねる。