第10章 ~奪還、そして想い~⭐秀吉ルート⭐
長い時間、そうしていたような気がするーーー
お互いの想いを確認し、伝え合うように顔の角度を何度も変え、口付けを交わしていた。
「ん……はっ……ふぅ、ん……っ」
唇の僅かな隙間から必死に酸素を取り込もうとするの口からは、儚い吐息が漏れる。
(ヤバイな……抑えが効かなくなりそうだ)
名残惜しむようにその唇を離すと、目の前にはすっかり涙が止まり真っ赤に頬を染めたが瞳を潤ませたまま秀吉を見つめている。
秀吉「…じゃあ、今夜限りでお前の兄としての役目は終わりだ。
これからは一人の男として、お前を可愛がらせてくれよ?」
「うん、でもあまり変わらない気がするんだけど…」
(今までも散々甘やかして可愛がってくれてたのに、何がどう変わるのか全く想像出来ないよ…)
秀吉「ん?そうか?……そうだな、例えば……」
秀吉はそう言うと掠めるような口付けをに落とす。
秀吉「兄と妹じゃ、こういうことは出来ないだろ?」
「…っ不意打ち過ぎるよ。心臓持たない」
きっと睨むように潤んだ瞳のまま視線を向ける。
秀吉「っ…お前も、その顔は反則だろ」
(無意識だとしても、急に女の顔するな)
「不意打ちしてきた秀吉さんが悪いの」
秀吉「わかった、わかった。これからは ちゃーんと伝えてからお前を甘やかすことにする」
「ふふふっ、それも何か変だよ」
秀吉「、愛してる」
「私も、秀吉さんを愛してる」
じゃれ合うように抱き締め合い、口付けを交わしていく二人の姿を、満月の月明かりが優しく照らしていた
偽りのお兄ちゃんなんていらないの
私が欲しいのは主君のためなら命さえも投げ出せると言いながら、
私の側に必ず戻ってきたいと願ってくれる貴方
貴方が居ない世の中なんて考えられないし、考えたくない
貴方を何時でも抱き締められるように
ずっと側にいて、貴方が一番と言ってくれた笑顔で
貴方にお帰りなさいって一番に伝えるよ
だから、離さないで、ずっと可愛がってね…………
~秀吉ルートEND~