第10章 ~奪還、そして想い~⭐秀吉ルート⭐
秀吉「っ………」
(男の部屋に身一つで来ることを何とも思わないほど無防備なのか、俺のことを男としてでは無く、ただ単純に兄貴としか見て無いからなのか……)
秀吉は寂しいような、安心したような、何とも複雑な心地に、躊躇ってしまう。
「あ、ごめんね。部屋で待ってろって言ったのに我が儘言っちゃった。部屋でちゃんと待ってます」
少し寂しそうには秀吉に言い、その優しい手から離れる。
秀吉「迷惑なわけ無いだろ?…可愛い妹の頼みなら、いくらでも聞いてやる。じゃあ、俺の部屋でお利口に待ってるんだぞ?」
(可愛い妹、か…。何だろう、この気持ち……寂しいような、物足りないような変な感じ)
「うん、わかった……ありがとう、秀吉さん」
それだけ伝え、は自分の心の中のモヤモヤした気持ちを押さえ込み、秀吉の部屋の方へと歩いていく。