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【イケメン戦国】私の大切な人

第10章 ~奪還、そして想い~⭐秀吉ルート⭐



秀吉「はぁ……」


(今日もの笑顔が見られなかったな…)


秀吉はいつものように城内を偵察しながらものことをぼんやりと考えながら、すっかり暗くなった安土城の廊下を歩いていた。


(まぁ、警戒していた間もが笑顔を向けてくれることは無かったが……)


そう思うと、後悔にも似た感情が胸の中を支配する。


それでも、ふとした時に見せる笑顔が秀吉の心を穏やかにしてくれていた。


秀吉「あれは…」


台所へ向かう廊下の角を曲がったところで、先程まで考えていたがいた。


秀吉「、まだ起きてたのか?」


優しい笑顔を浮かべながら声をかけると、ゆっくりとの元へ近付いていく、


「あ、秀吉さん。うん……ちょっと目が覚めちゃってお水を飲みに来たの」


ーーーあの日以来、今まで警戒してきたことを謝罪し、甘やかせてくれと頼んでからは
毎日のように縁側に腰を掛けて遠くを見つめるの側に寄り添い、頭を撫でて声を掛けてきた。


も一生懸命 応えるように敬語を外し、少しずつ心を開いてきてくれるようになってきた。


しかし、あと一歩と言うように完全に打ち解けてはいない心地も同時に感じていたのだった。


それを証明するかのように、秀吉に笑顔を向けられることが無いまま、無情にも時間だけが過ぎていく……


秀吉「そっか…なぁ、。眠れないなら茶を淹れてやるから一緒に飲むか?」


「ほんと…?ありがとう。秀吉さんのお茶、美味しいから飲みたいな」


(豊臣秀吉って、お茶の道ではかなり有名だもん。きっと、秀吉さんの煎れたお茶を飲めば落ち着けるよね)


秀吉「ん。…じゃ、用意したら行くから部屋で待ってろよ?」


そう言うと、いつもするようにの頭をポンポンと撫でる。


「うん……でも、今はまだ部屋に戻りたく無いの」


は呟くように秀吉に伝えると、長い睫毛を伏せてしまう。


「あの……秀吉さんが迷惑じゃなければ、秀吉さんの部屋で飲んでもいい?」


はゆっくりと視線を秀吉に向け、懇願するように見つめる。
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