第9章 ~奪還、そして想い~⭐家康ルート⭐
座るの横を通りすぎ、縁側に腰を掛けの方へと顔を向けると、隣の床ををポンポンッと叩く。
家康「ほら、こっち」
「いいんですか!?」
家康「っ………!!」
その表情は先程まで遠慮していた表情とはまるで変わり、喜びに満ちたような表情だった。
家康「…あんたって、単純だね。溢されると迷惑だから、こけないでよ」
口調は相変わらずだが、その表情は優しく、穏やかな笑みを浮かべていた。
「っ…はい」
(家康さんの笑顔…初めて見た…。レアすぎると言うか、心臓の破壊力強すぎる)
初めて見る家康の穏やかで優しい笑顔にドキドキと早まる鼓動を抑え、静かに家康の隣に座る。
二人で縁側に腰を掛け、ゆっくりと湯呑みを傾けると、ほっと息を吐く。
「うわぁ…美味しい…それに、良い香りもする」
家康「当たり前でしょ。俺が淹れたんだから」
「何だか、すごく落ち着きます」
家康「…ねえ」
(もう駄目、限界ーーー)
「っ…はい」
また少し、表情を固くするに向き合うとも慌てたように湯呑みを置き、向き合うように座る。
家康はに目線を合わせ、その瞳を見据える。
家康「何で俺だけ、さん付けして敬語なの?」
「え?」
(何か怒られるのかと思ったけど…家康さんのことを"さん付け“する理由と敬語を使う理由?)
言われてる意味がわからない、と言うようにキョトンとした表情になる。
家康「秀吉さんや、政宗さんとは ため口で話してるのに、いつまでも俺だけ家康さんって呼んで敬語使ってるし、政宗さんのことなんて呼び捨てで呼んでるでしょ?」
「っそれは!っ……何となく、失礼かなって…」
一瞬、家康の顔を見据えるが、直ぐにその視線を反らしてしまう。
家康「はぁ…そう言うの鬱陶しいから。……練習。家康って呼んでみて」
「でっ、でも…!」
家康「往生際が悪いよ、。『家康』。ほら、言って」
まだ俯いてはいるが、その頬は月明かりの下でもほんのり染まっているのがわかる。