第9章 ~奪還、そして想い~⭐家康ルート⭐
家康がそれぞれの引き出しから何種類かの香草を取り出し、お湯で煎じていく。
すると先程までそわそわしていた の動きが止まったことに気付き、視線を移すと、
ゆうこは静かに、空を見上げていたーーー
家康「?…何か珍しいものでもあるわけ?」
そう言いながらへ近付き、そっと湯呑みを渡す。
「あっ、いえ…満月がキレイでつい…」
家康「そう……はい、これ。あんたの分。火傷しないでよね」
「ありがとうございます」
湯呑みを受けとると、の視線はやはり上空に向けられている。
家康「せっかくの満月だし、縁側に座って飲む?」
家康は何気なくそう言うと、はパッと明るい表情へと変わる。