第9章 ~奪還、そして想い~⭐家康ルート⭐
自室へ着くと、襖を開けを中へ勧めるが、は ぼーっとしたような表情でその場に立ち尽くしている。
家康「着いたんだけど。あんた、そこで立ったまま飲むつもり?」
その言葉を聞くと、はハッとしたように我に返る。
「あっ、ごめんなさい!何だか、たくさん引き出しがあってビックリしてました」
(何が入ってるんだろう?この香り、何かの草だよね?薬草か何かかな……)
家康「言っとくけど、ただの草じゃなくて薬草だからね」
「えっ」
(何でわかったの?)
は心底驚いたような顔で家康を見る。
家康「あんた、考えてることが顔に出過ぎ」
ふぅっと息を吐く家康には肩を竦める。
「…っすみません」
家康「謝らなくて良いから。香草の調合は任せてもらうけど…とりあえず、中に入れば?」
「はい…お邪魔します」
ようやく部屋に入り、ちょこんと座るが、どこか落ち着き無くそわそわしている。