第7章 ~奪還、そして想い~
まだ小さく震えるその体を優しく抱き締める秀吉。
秀吉「、すまなかった…!
もっと早くお前への警戒を解いていればお前の心が此程までに壊れることはなかった…。
あんな態度を取られてたんじゃ頼ることすら出来なかったよな…?」
胸に抱いたまま、の頭を優しくポンポンと撫でる。
「っ………秀吉さん」
おすおずと顔を上げて秀吉を見ると、
その表情は苦し気に歪んでいた。
「違うん、です……秀吉さんのせいじゃ…ないっ…私がいつも勝手なことばかりして、みんなに迷惑かけちゃうのが悪いん…っ…」
そう言う瞳に少し光が戻るのを感じた信長はにやりと笑い、
信長「ふっ…貴様は鉄砲玉の様に飛び出して行く女子だからな」
光秀「お前の小さな頭では危険と察知する頃には既に其所に突っ込んでしまっていると言うことだろう」
「…小さい頭とか鉄砲玉って相変わらず意地悪です…信長様も、光秀さんも…」
声や口調に元気はないが、少しだけいつものに戻った気がして、皆、肩の力を抜き優しく微笑む。
秀吉「全く、光秀、少しは気を遣え」
信長「貴様はこの俺に対し全く気を遣っているようには見えんが」
秀吉「は………?あっ!しっ、失礼しました」
秀吉は信長の目の前で、を抱き締めて居たのだった。
がばっとから体を離すと、頭を垂れる。
光秀「くくっ」
信長「取り乱す貴様を見れた代わりに此度は許してやる。だが、次はない」
ニヤリと意地悪く笑い、目線だけで秀吉を見る。
秀吉「はっ………!とにかく、。これからはどんどん頼ってほしい。
今までの分を取り戻すためにも、たくさん甘やかせてくれ。
まずはその堅苦しい敬語から止めてくれよ?」
家康「秀吉さんの場合、世話を焼きすぎだと思いますが…」
政宗「ただの過保護だな」
秀吉「良いんだ!も、わかったな?」
優しい笑顔をに向ける。
「…うん、わかった…ありがとう、秀吉さん…」