第7章 ~奪還、そして想い~
信長「…」
「うぅっっ……いやぁっ……」
己の心にある感情を持て余したまま俯き泣き続けるに
信長はそっと近付きゆっくり腰を下ろすと、先程した様にもう一度優しく頬に手を当てるが
その瞬間、
の体が強ばるのを家康は見逃さなかった。
家康「っっ信長様、今は…」
家康が手を退けようとしても、信長の掌はの頬を捉えたまま囃さない。
信長「、反らさずに目を開けしかと見ろ。今貴様の目の前には誰がいる?」
信長が至極落ち着いた声で問いかけると、は少し体の力を抜きゆっくりと顔を上げる。
その様子を全武将が固唾を飲んで見守っていた。
「うっ…く………のぶなが、さま……?」
信長「そうだ。他に貴様の回りには誰が居る?」
そっと頬から手を離し、回りを見渡すを見つめる。