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ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話

第7章 銀灰色の暗殺者とその過去7


クリスティーナの小さな手が差し伸べられる、しかしその手を取れなかった。受け入れる事が少女には出来なかったのだ。無言で立ち上がり、じっと小さな少女を見下ろす。ビクッと両肩を揺らしこっそりと母の後ろに隠れた。綺麗だなんだと言いつつもそこは子供だ、怯えたように見上げて…仲良くなりたそうに微笑んでいる。無言で睨む脅しは余り効果がなかったようだ。

「好きに選びなさい、これで貴女は本当に自由になったわ…これからは貴女の人生よ」
「…」
「ただ本音は、優秀な武装メイドが欲しい所ではあるけれど…ここにいる方々は基本迫害を受けていたモノを雇う屋敷でもあるの。亜人であったり、獣人であったり、巨人族であったり…勿論、エルフであったり、ね?」
「…」
「見た所貴女は人間だけれど、無能力者ね…珍しくはないけれど、その体術を屈した戦闘技術は群を抜いてトップクラスに入るわ」
「…」
「私達と家族にならない?クリスティーナにとって貴女はとても必要なのだと伝えたら…分かるかしら」

家族、欲しくて欲しくて…でも、絶対に手に届かないモノだった。望みたかったもの、本当は一番欲しかったもの…マフィアなんて名ばかりで、入ったら出る事も叶わなくなっていた。人殺しの私に、表の世界で一体なにが出来る?無理だ、闇に染まり過ぎた。

「もし、貴女が行く所がなくて困っているなら…クリスティーナ直属の護衛を頼みたいの。アイリーン公爵家は雇っている使用人が特殊だから、余り良い印象を持たれないし…狙われる事が多いのよね」

メイド服の少女に、メイドキャップへ魔法をかける。被っている時は銀灰色の髪を変えられるアイテムを少女に授けたのだ。黒髪のロングに変わったのを確認すると、どうしてここまでしてくれるのか…益々謎であった。
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