• テキストサイズ

ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話

第5章 断じて嫉妬させたかった、嫉妬して欲しかったとかじゃない5


「ヴィッツ様はいつもそこにいらっしゃいますが、暇ではないのですか?」
「勤務中ですので…」
「何度もいらしているので、その場所が定位置になりつつありますね」
「そうですね」
「どうしてレオンハルト様は私に会いに来るのでしょう」
「……それ。本気で言ってんのか」
「ふふ…そちらが素?私、そちらの方が好きですよ?」

あ、やっちまった…そう苦々しい顔で見下ろしたヴィッツにしてやったりと満足げに見上げた。性格としてはヴィッツが一番好きだった。崩れ気味な敬語、俺様だが本当は過保護で面倒見のいい兄貴分で優しい人だ。

「ぐっ。はぁ…クリスティーナご令嬢は今度は一体なにをお考えで?」
「なんだと思います?」
「さぁ…凡人の俺にはなにがなんだか。エミリアご令嬢をお呼びしたのも、偶然を装った必然で、本当はなにか理由がありそうだとは思いましたがね」
「鋭いですね、本当は分かっているくせに…」
「王子に嫉妬させたかったのですか?」
「……それ。本気で言ってんのか」

今度は私がそう言った。余りにも不細工な顔をして睨んでいたからだろうが、吹き出すように笑ったヴィッツは可笑しそうに私の頭を撫でようと手を伸ばした。が、触れる事なく私はいつの間にか王子の腕の中にいた。後ろから優しく抱き締めていて、膝をついているのか私の肩にレオンハルトの金髪が触れてくすぐったい。引っ張られたと言うよりも、王子の魔法で瞬間移動したと言う言葉に尽きる。

「クリスティーナ…アイツと随分親しいんだね」
「うわ、大人気ない…面倒くさい」
「君が好きなのだから当たり前だろう…話すのは構わないが触れられるのは禁止、分かったね?私の可愛いクリスティーナ?」
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp