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ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話

第5章 断じて嫉妬させたかった、嫉妬して欲しかったとかじゃない5


優男、王子設定は一体どこにいったし、王子は私に会うと表情が豊かになって本当に楽しそうである。相変わらず王子の付き人でクールドS騎士様が遠くで呆れたため息をついていた。壁側にもたれ掛かるようにじっと私を見て来る。しかし最初に会った鋭い視線より丸くなったと言うか、可哀想に…と言う同情の視線を感じられた。やめろ、そんな目で見るな。

王子は私に抱き着こうとしており、私は嫌がるようにこっちに来るなオーラを出して威嚇した。なんだ貴様は、私に構って貰えて嬉しい犬か、ふわふわの髪の毛がより一層大型犬に見えて仕方ない。最近、犬の耳が見えて来たような気がする…眼科を探さないと。いや、こういう場合は精神科の方がいいのか?

「それで、こちらの麗しき少女のお名前はなんと仰るのですか?」
「えっ!あ、私はエミリア。エミリア・ウィルス・パトリシアと申します!挨拶が遅れてしまい、申し訳ございません」
「パトリシア…あぁ。伯爵家のご令嬢ですね。初めまして、私はレオンハルト・ロストフ・アステリアと申します…お二人はどのようなご関係で?」

友人だと私は素っ気なく説明する。きょとんとして瞬きをした王子は嬉しそうにエミリアへ話し掛けていた。これは!まさか!エミリアちゃん可愛い!彼女に乗り換えよう!作戦、成功の予感がしたぞ?ほらほら、そんなにも美少女で可愛いんだよ?私と比べるなら雲泥の差、そちらにすっ転んでも可笑しくない。運命感じちゃったでしょう?私とてもいい仕事したわ!そうワクワクと二人を笑って見ていた。話し込んでいる二人からそっと離れて、遠くで控えるドS騎士に話し掛けて見る。真っ赤な髪が印象的で金色の鋭い瞳が私を捕らえた。けれど子供で公爵令嬢の私には優しく接しろと命令されたのか、直ぐに目を細められた。他人行儀な表情でつまらないと思い笑う。
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