ロリコン王子(絶倫)をドMに覚醒させようとする悪役令嬢の話
第1章 早々王子に逃げられない1
と言うのは建前で、本音を言うならば私に従順なドMが欲しかった。わがままな私に嫌な顔せず、寧ろ嬉しそうに聞き届けてくれる可愛らしい犬…セックスの相性も大事だ。この異世界では魔法も使えたりする、私は想像したモノを作り出す能力があり中々強キャラクターとして描かれている。その能力をよからぬモノに使うと言うのは宝の持ち腐れではあるが、色々なモノを作って男で遊びたい。なんて愛らしい幼女の姿でドスケベな妄想を繰り広げる。
「クリスティーナ様…ご気分は宜しいでしょうか」
「アンナ。丁度良い所に来てくれたわ…聞いて頂戴。私ね…」
「クリスティーナ様…レオンハルト王子がお見えになっております」
「は、いっ…?」
「なんでも、レオンハルト王子の顔を見た瞬間、目の前で倒れられたクリスティーナ様の事がとても心配で…少々負い目を感じている様子。どうしてもクリスティーナ様のお元気なお姿を拝見しもう一度お会いして、しっかりと話しがしたいようなのです」
私の専属凄腕メイド長、アンナは表情を変える事なく淡々と言ってのけた。うん、これは出鼻をくじかれた…逃げると言う選択肢はない。だが、まだ『婚約者』と言う言葉を聞いていない。まだ!まだ!なんとかなる!ここから巻き返せば良いと言う事だ。もう一度会って、嫌な女を演じれば良いだけ!えぇ!出来ますとも!やってやろうじゃないか!そう私の闘志に火を付けてにっこりと上品に微笑む。
「勿論、お会いするわ…但し。この部屋でね?」
淑女の使う寝室で、初めてお会いする殿方を迎えて会おうだなんて…なんともはしたなく婚約者といった間柄でなければ先ず有り得ない。だからこそ私は寝室を選んだ。私は今とても悪い顔をしていると思われるーー。
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レオンハルト・ロストフ・アステリア第一王子。今の年は16歳…おとぎ話の白馬の王子様をそのまま再現したような、金髪の柔らかそうな髪に青い瞳をした凛々しい美青年になる。私…クリスティーナとは十歳程年が離れている設定で。まぁー…良くその間に誰とも婚約者がいなかったな。と今の私ならツッコミを入れたい所ではあるが敢えて気にせずそのツッコミを胸の中に入れて蓋をした。