第2章 ファーストコンタクト
行った方が良いよね?
「今行きますー」
走って向かうと
桃ちゃんこと桃城武君と、越前リョーマ君が
私の事を待ってくれていた。
「初めまして!私は中山絢那です。テニスの…」
テニスの王子様が好きと言っても伝わらないよね?
初対面の子から、この世界は異世界でトリップして来たなんて言われても気味悪いだろうし、私もこの世界の人になりきって接しよう。
「ね、アンタもテニスするの?」
いきなりリョーマ君から声掛けられて
頭が真っ白になる。
「あ、えっと…テニスの試合を見るのが好きで…」
上擦った声で返事をする事だけで精一杯だった。
「おい、越前…自己紹介しないまま話進めんなって!俺は桃城武!中学2年だ。んで、コッチのちび助が…」
「ちび助は余計ッス…俺は、越前リョーマ」
あー、2人の事は良く知ってるよ!なんて心の中で呟く。
「おっと、もうこんな時間か」
時計を見ると夜9時を回っていた
あ、そう言えば…寝泊まり出来る場所の事、何も考えてなかった。
「おーい、絢那さんも一緒に帰ろうぜ!家まで送るからよ!」
「あ、私の家はすぐ近くなの!だから、大丈夫だよ!ありがとうね」
「本当に大丈夫か?」
桃ちゃんの後ろにリョーマ君が座る。
「…本人が大丈夫って言ってるんだから良いんじゃないッスか?」
「うん、またね~」
さてと、どうしよ…野宿する?
あ、一度あの扉まで行けば…戻れるかも?
1人狼狽えていると
「ねぇ、帰らないの?」