第20章 優しい死神くん
数日後、俺は無事退院出来た…
病院スタッフや同僚からは『奇跡の人』と噂になったけど…
翔「…奇跡なもんか…」
俺が助かったのは雅紀のお陰なんだから…
病院を出て暫く…特に行く宛もなくフラフラとしていたら
翔「…ここ…雅紀に会った…」
俺が自殺しようとしたビルに来ていた
…あそこに行けば雅紀に会えるかな…
そう思い、俺はビルの屋上まで上がった
あの時…振られた俺はヤケになって、ここから飛び降りようとして…
雅『あ…危ないっ!』
って、腕をいきなり引っ張られたんだよな…
その後、何で自殺しようとしたのか聞かれて…振られた上に仕事でヘマやって、ヤケになって自殺しようとした事を言ったら…
雅『まだ若いのに、死ぬ事をそんな簡単に決めちゃ駄目だよ!』
そう言ったんだ…
翔「…ホント…死神のくせに人間くさい奴だったよな…」
けど…そんな雅紀の事…俺は…
翔「雅紀…会いたいよ…雅紀ぃ…」
あの時…和也と名乗った死神から真実を聞かされた時…涙が枯れるまで泣いたのに…
俺の瞳からは、また涙が溢れ出てきた…