第20章 優しい死神くん
「雅紀はもう来ないよ…」
翔「…え…?き、君は誰?」
「俺は和也…雅紀と同じ死神だよ…」
翔「和也…?雅紀は来ないって…そういえば雅紀、死神解雇されたって…」
和「そう…それもこれも皆、お前のせいだよ」
翔「えっ…」
お、俺のせい…って…
和「確かに雅紀は死神には向いてなかった…解雇されたのも、最終的にはお前の魂を持ち帰らなかったから…それに…」
翔「それに…?何…?」
和「雅紀はお前を助けようと、お前の身体に『神魂』を入れた…だからお前は助かったんだ…」
か…神魂…?
翔「ど…どういう事…?神魂って…」
和「俺達死神の魂だよ。それを入れた事でお前の中にいた癌細胞は無くなったんだ」
た…魂って…まさか…
翔「雅紀…雅紀は!?」
和「…消滅した…当然だろ…魂が無くなったんだから」
そ…そんな…雅紀が…
和「とりあえず雅紀のお陰でお前の命は永らえた…雅紀からお前の寿命が尽きた時は、雅紀の代わりに魂を取りに行ってくれって頼まれたから、それまで精々長生きしろよ。雅紀の命なんだからな」
そう言って和也と名乗った死神は消えた…
翔「ま…さき…雅紀ーーーっ!」
俺は涙が枯れるまで泣き続けた…