第20章 優しい死神くん
和「…本気なの?」
雅「…和…お願いがあるんだけど…父ちゃんと母ちゃんに謝っておいて…親不孝者でごめんねって…それから数十年後に翔ちゃんの寿命が来た時は、俺の代わりに和が来て…」
和「知らないよっ!こんなお馬鹿な死神の頼み事なんてっ…勝手に…こんな事して…」
そう言いながら和は俺に背中を向けた
その肩は震えていた…
雅「…ごめんね和…今まで色々ありがとう…」
俺は一言和にお礼を言って目を閉じた…
そして一呼吸し、意識を掌に集中させた
暫くすると俺の掌から光がパー…っと広がっていき、辺りを明るく照らしていた…
翔ちゃん…
これからはもう、こんな苦しい思いしなくて済むからね…
好きな食べ物いっぱい食べて…
好きな事いっぱいして…
…好きな人と一緒になって…
記憶の片隅にでも俺の事覚えててくれたら嬉しいな…
あんな馬鹿な死神いたな…って…
もう二度と出逢うことは出来ないけど…
俺…翔ちゃんに出会えて良かったよ…
死神になれて…ほんとに良かった…
そして俺の意識は段々と薄れていった…
バイバイ…翔ちゃん…
いっぱい幸せになってね…