第20章 優しい死神くん
翔「雅紀…死神の雅紀がここにいる…って事は…俺…死ぬんだね…」
雅「・・・」
翔「…良いよ…気を遣わなくて…自分の身体…だよ…自分が1番…解ってるから…でも…ごめんね…雅紀…」
雅「…えっ?」
翔「約束…したのに…俺…頑張って生きる…って…けど…守れなかった…」
雅「翔…ちゃ…」
こんな時…俺は何て言えば良いんだよ…
翔ちゃん自身も解ってるのに…俺が居るって事で、もう死期が近いって…
そんな翔ちゃんに『大丈夫だよ』なんて…言えないよ…
翔「…ホントに優しいな…雅紀は…俺の為に…泣いてくれるんだ…」
翔ちゃんからそう言われ、俺は自分が泣いていた事に気が付いた…
翔「でもね…俺…嬉しいんだ…」
雅「え…?」
翔「…最期に…雅紀に会えた…雅紀は…俺との約束…守って…俺の魂…持って行って…くれるんだよね…」
雅「…ううん…俺も約束守れなかった…俺ね、死神としては落ちこぼれで、あの後死神解雇されちゃったんだ」
翔「ふふ…雅紀らしい…けど俺…あれからずっ…と…雅紀に会いたかっ…た…雅紀の事…忘れられなかった…んだ…」
雅「俺も…忘れられなかった…翔ちゃんの事…ずっと会いたいと思ってた…」
翔「…ありがと…俺の事…看取って…くれ…て…」
そう言いながら、疲れたのか眠ってしまった…