第20章 優しい死神くん
あの後、上機嫌で霊界に戻った途端…
閻「バッ…カもーーーん!!!」
…と、今までにない大きな雷が落ちた…
まあ…当然だよな…
死神が自殺を引き止めて、魂を持ち帰らなかったんだから…
そしてその後、俺は罰則として『誘導課』に送られた…
この『誘導課』は、死神と天使が持ち帰った魂を、予め閻魔のおっちゃんが振り分けたリストを元に『天国』と『地獄』に迷わないように誘導する係なんだ
人間社会で言う左遷だよね
俺の為に自分の仕事を回してくれた和には呆れられたけど…
和『まぁ…雅紀らしい…っちゃ雅紀らしいけどね』
って言われた
俺も、もう魂を持ち帰らなくて済んだのは良かったけど…
雅「翔ちゃんとの約束…守れないな…」
けど、翔ちゃんの寿命が尽きる時っていったら、きっとおじいちゃんになってるだろうから、俺の事なんて忘れてるだろうな…
…ここにいたら事前に寿命を知ることが出来るから、翔ちゃんの所に行く死神について行こう…
そう思っていた…
そして、1年が過ぎようとしていたある日…
「おーい雅紀ー!これ明日の死亡者リストー!」
雅「はーい!」
ちゃんとリストに目を通しておかないと、いざその時になって俺自身も迷うからなー…
そんな事を思いながらリストを見ていたら…
雅「…え…?」
そのリストにあった名前に、自分の目を疑った…