第20章 優しい死神くん
雅「まだ若いのに、死ぬ事をそんな簡単に決めちゃ駄目だよ!」
翔「ま…雅紀…?」
雅「翔ちゃん美人なんだから、これからもっといい人に出会うかもしれないのに、そんな男の為に大切な命捨てちゃダメッ!」
翔「は…はい…」
言いたい事を言ってふと見ると、いつの間にか翔ちゃんは正座して俺の話を聞いていた
雅「ああっ!ゴメンなさいっ!俺初対面の人に偉そうにっ!」
そのまま翔ちゃんの前で思い切り土下座してたら…
翔「…クッ…アハハハ!」
雅「…え?」
翔ちゃんから大笑いされていた…
翔「ま…まさか死神から命の大切さを諭されるとは思わなかった」
…うん…確かにね…
翔「…ありがとう雅紀…」
雅「えっ?」
翔「雅紀のお陰で目が覚めた…そうだよな…まだまだ人生長いんだから、こんな事位で死ぬのは馬鹿らしいよな」
雅「そうだよ!頑張って!」
立ち上がった翔ちゃんは、膝についた汚れをパタパタと叩いてスッ…と俺の前に小指を差し出した
翔「…約束…」
雅「約束?」
翔「俺の寿命が来たら、俺の魂は雅紀が取りに来て…それまで俺頑張って生きるから…」
雅「翔ちゃん…」
この時俺は初めて死神で良かった…って思った…