第15章 それぞれの空の下
雅「ホントのホントに仔猫の声が聞こえたんだってば!」
智「…そう言われてもな…」
和「幻聴じゃなくて?」
(気持ちは解るけど)こんなに力説しても、誰も信じてくれなかった…
けど、ホントに聞こえたのにっ!
翔「でも、お腹空かせてるのは事実だと思うよ…俺が見つけた時は残飯を漁ってたから…」
潤「ああ、なら丁度良いサイズの魚があったから、それ捌いてあげようか」
智「確か牛乳もあっただろ?」
和「ちょっと温めますか」
翔「ごめん…ありがとう皆」
そのまま潤と和がキッチンに行き、魚と牛乳を仔猫に与えると凄い勢いで食べ始めた
翔「…凄い食欲…」
雅「よっぽどお腹空いてたんだね…で?翔ちゃん、この仔猫どうしたの?」
翔「…その…依頼が終わって帰る途中、この仔猫がゴミ置き場のゴミ袋を漁ってたんだ…それから暫くして、上からカラスが何羽か降りてきて、仔猫を襲いだしたんだ…」
潤「もしかして翔兄さん、そのカラス追い払ったの?」
翔「うん…で、帰ろうとしたらこの仔猫が後を着いてきて…」
智「そのまま連れて帰ったと…」
智兄の言葉に翔ちゃんはコクンと頭を下げた…
雅「あ、それ…」
和「同じ様な事、雅紀兄さんもありましたよね」
…俺が言おうとした事言われちゃった…