第15章 それぞれの空の下
潤「でもこの仔猫、捨て猫なの?」
和「そっか…親がいたかもしれないですね」
翔「じゃあ、一度元の場所に…」
『ぼく、お家わかんない…』
雅「え?家が…?」
智「家?」
また仔猫の声なのか、俺の頭に声が聞こえてきた
『ぼく本当はお家の中にいたの。でもこの間、近くの広場で遊んでおいでってご主人に離されて…』
雅「翔ちゃん…この仔猫を拾った近くに広場ってあった?」
翔「確か公園があったと思ったけど…」
『ぼく、楽しくて思いっきり遊んでて、気がついたらご主人いなくなってたの…一生懸命探したんだけど見つからなくて…お腹空いて…寂しくて…怖くて…』
…捨てられた事に気がついたんだ…
『それであそこでご飯探してたんだけど、さっきのカラスって言ってのから何回も突かれたり…背中掴まれて連れて行かれそうになったり…思いっきり暴れたら落ちたけど…』
そういう仔猫の背中をよくよく見ると、確かにカラスの爪痕と思われる傷が見えた
俺は今仔猫から聞いた事をそのまま皆に伝えた
そしてようやく俺の言ってる事を信じてくれた
智「…何で急にそんな声なんか聞こえるようになったんだ?」
和「頭を打ったからじゃないですか?」
そんな簡単に片付けられても…