第14章 光の道の先
〜潤side〜
‹…ピ…ピ…ピ…›
無機質な機械音だけが聞こえ、俺の目の前には意識なく横たわる翔の姿…
そして俺の手の中に、翔から貰ったストラップ…
潤「…何で…このストラップ落ちたんだろう…」
このチェーンが切れなければ…せめてあんな所で切れなければ翔は…
潤「こんな…こんな物の為に翔はっ!」
雅「よせ潤っ!」
和「それは翔ちゃんが潤くんの為に拾った物なんだよ!?」
俺がストラップを投げつけようとした所を2人に止められ、俺は行き場のない腕をそのまま振り下ろした…
その時、大野さんがずっと翔を見つめたまま、微動だにせず佇んでいるのに気がついた
雅「智…どうしたんだ?」
智「…今…『翔くん』の声が聞こえた…俺に助言を求めてる…」
潤「えっ…」
智「翔くんの意識が戻らないのは、魂が抜けて向こうの世界に飛んでるからなんだ…それで向こうの『翔くん』が俺に翔くんを助けて欲しいと訴えてる…」
し…『翔』が…翔を…
潤「どうすれば…どうすれば良いんだ!」
智「…答えは潤くんが握ってるよ」
潤「えっ?」
俺が握ってる…?
もしかしてそれって…このストラップ…?