第10章 雪から生まれた想い
あの後、何処からか氷を持ってきて俺の手を冷やしながら
雅「ねぇ…潤の事も聞いて良い?」
潤「俺の事…?」
雅「うん…俺潤の事知りたい…もし嫌じゃなきゃ聞かせて?」
…今までなら人間なんかに俺達一族の事を話すなんて考えられなかった
なのに俺は人間との確執…兄さんの事…そして俺達一族の事を話していた…
雅「じゃあ潤…まさかお前このままじゃ…」
潤「…暑さに耐えられなくなって…死ぬしかない…」
仕方ない事だと思ってた…
兄さんを殺して結界内に戻れなきゃ…俺の身体は…
けど何故だろう…例え兄さんの魂を持ち帰っても…俺は帰れないんじゃないか…
そんな気がしていた…
そこまで話し、暫くの沈黙の後
潤「…えっ?」
突然俺の身体を抱き締めてきた
雅「…辛かったよな…1人で…俺でよければ兄さんの代わりになるから…」
潤「…雅…紀…」
雅「…やっと名前呼んでくれた…」
そう言って雅紀はソッと触れるだけの口付けをした