第10章 雪から生まれた想い
…何故俺はこんな事してるんだろう…
この男がどうなろうと、知ったことじゃないのに…
何故か俺はその男の首筋に手を添えて、身体の熱を取り除いていた
暫くすると、その男の顔色は元に戻り、赤みをさしていた
…もう大丈夫だな…
潤「…っ…」
男の身体から手を離し、自分の両掌を見ると、火傷のように赤くなっていた
…この跡…あの時の兄さんと同じだ…
きっと兄さんもあの時の人間を助ける為に…
そんな事を思い出していたら
雅「…ん…潤…?」
男が目を覚ましてきた
そして俺の手に気付き
雅「ど、どうしたんだこの手の火傷!?」
潤「な…何でもない…」
雅「何でもないって、そんな訳…!」
その時の俺の態度で何か気づいたのか
雅「そういえば、ずっと身体が熱くてダルかったのに…まさか潤が…」
潤「べ…別に…お前に借りを作りたくなかっただけだ…」
目を合わせたくなくて、ソッポを向いて答えると突然
潤「…っ…!?」
俺の掌に口付けて
雅「…ありがとう…」
そう言って微笑んでいた…