第10章 雪から生まれた想い
その後聞いてもいないのに、雅紀と名乗ったその男は色々と話し出した
この村にきてすぐ、地元の人間から『雪女』が出るから山に入るなって言われ、昔から霊感が強かったから、俺を見つけた時にそうだと解ったとか…
でも男で驚いたとか…
今日はスキー場に1人で遊びに来たとか…
他愛ない話ばかりしていた…
雅「本当はニノと大ちゃんと翔ちゃんも誘ったんだけど、皆都合が悪いって断られてさー…まあ、ニノは絶対ゲームしたいから…」
潤「…翔…?」
雅「ああ、今年入った新人くんなんだ…何?知り合い?」
潤「そんな訳あるか…」
…思わず『翔』って名前に反応してしまった…
兄さんであるハズもないのに…
暫く話を聞かされ、いい加減1人になりたくてここから出ようとしたら
雅「まだ動かない方が良いよ。また途中で倒れるかも…」
潤「大きなお世話だ…それに俺がここに居たらお前が凍え死ぬぞ」
俺がそう言うと
雅「…俺なら大丈夫だよ。着込めば暖かいから…気にしてくれてありがとう…優しいね潤は…」
俺が優しいだと?
…この人間…相当なお人好しだな…