第10章 雪から生まれた想い
「偶々通りかかった所に、君が意識なく木に寄りかかってたのを見つけたんだ…身体大丈夫?」
そう言ってその男は俺の額に触ろうとしてきた
潤「触るなっ!」
俺がその男の手を思い切り払い除けると、少し驚いた顔をして
「…うん…元気そうだね…良かった」
…何だコイツ…
…ダメだ…ここは暑すぎる…
俺は直ぐ様ここから出たくて、立ち上がろうとしたら立ち眩みがして、ふらついてしまった
「ダメだよ!まだ無理は…!」
潤「触るなって言ってるだろ!ここは暑すぎて居られるか!」
俺がそう叫ぶとその男は
「あ、そっか。ごめんね、ちょっと待って」
そう言って硝子戸を開け、熱風が出ていた機械を触っていた
するとそこから逆に冷風が出て、幾分かは楽になってきた
だが何故だ…?人間にこの冷気は耐えられないハズ…
潤「…何故ここまでする…何故俺がここまでしないといけないと解る…」
「ああ、ごめん…俺ちょっとそういう事解るんだ…君…普通の人じゃないよね?」
この男…そこまで解って何故俺を助けた…
「自己紹介が遅れたね。俺雅紀って言うんだ…君は?」
潤「…潤…」
俺が名前を言うと、その男はふっ…と微笑んでいた