第10章 雪から生まれた想い
結界内で人間に心許した雪人は、結界がその者を排除しようと攻撃する…
だから例え結界内に居ても、そのままでは命を落とす事になってしまう…
長老の言葉に半信半疑ながらも結界の外に出てみると
潤「…呼吸が苦しくない…」
それどころか、結界内より身体も軽くどちらが結界の中なのか解らない位だった
試しに結界に触れてみると…
<バチッ!>
潤「…っ…」
…まさか本当に…
今人間の世界では『冬』と呼ばれる季節らしく、幾分かは過ごせるが、それでも結界内よりは気温が高い…
このままでは…
潤「…ふっ…はは…」
どうやら俺はここまでみたいだな…
俺には兄さんを殺す事なんて出来ない…
なら俺に残ってる選択肢は…『死』のみ…
潤「…それも良いかもな…」
どうせこの先寿命が果てるまでの数百年…1人で生きてても…
ならこのまま死んで自然と同化するのも悪くない…
そう思った俺は宛もなく歩いて行った
幾日も…幾日も…
そして気がついたら俺の身体は動く事も出来ず、大木に寄りかかったまま意識を失っていた…